NCロードスターは速い?
NCロードスターは他の車と比べてどれくらい速い?
上記のように、MAZDAのNCロードスターが速いのかどうかという点が気になっている方も多いでしょう。
結論から言うと、NCロードスターは単にスピードが速い車であるだけではなく、体感する速度も速い車であることが分かりました。

170馬力のMZRエンジンが生み出す0-100km/h加速7秒台という数値は、確かに現代のスポーツカーと比べれば控えめかもしれません。
しかし、NCロードスターの真の速さは、ワインディングロードやサーキットで発揮される俊敏なハンドリングと、ドライバーとの一体感にあります。
この記事では、NCロードスターが速いのかについて動力性能や体感速度の観点から解説していきます。
さらにはチューニングによる性能向上の方法まで、「速さ」に関する情報を分かりやすく解説していきます。



ロードスターについて解説している記事は他にもあるから、是非チェックしてみてね!






NCロードスターは速いのか【データから分析】



NCロードスターが速いと言われる理由を、まずは客観的なデータから見ていきましょう。
NCロードスターのスペックシートの数字だけでは分からない、実際の走行性能についても詳しく解説します。
歴代最強!2.0L MZRエンジンのパワーとトルク
NCロードスターに搭載される2.0L MZR-LF型エンジンは、歴代ロードスター史上最もパワフルなユニットです。
NCロードスターの「最高出力170馬力/7,000rpm」「最大トルク19.3kgm/5,000rpm」という数値は、NAやNBの1.6L/1.8Lエンジンを大きく上回ります。



特筆すべきは高回転域まで続く伸びやかな加速フィールです!
レッドゾーンの7,500rpmまで気持ちよく回り、VVT(可変バルブタイミング機構)の採用により低中速域のトルクも充実しています。
街乗りからワインディング、高速道路まで、あらゆるシーンでNCロードスターは余裕のあるパワーを発揮します。
NCロードスターの0-100km/h加速タイムは約7秒台
NCロードスターの0-100km/h加速タイムは、6速MT車で約6.8〜7.4秒とされています。
この数値は現代のホットハッチやスポーツセダンと比較しても十分に速いタイムであり、遜色ないレベルだと言えるでしょう。



車重約1,140kgに対して170馬力でパワーウェイトレシオは約6.7kg/psとなり、これはライトウェイトスポーツカーとして十分に「速い」と言える水準です。
NCロードスターの最高速度は約210km/h(リミッター作動)で、サーキット走行でも十分な速度域をカバーしています。
重要なのは、これらの性能を誰でも引き出しやすい扱いやすさも兼ね備えている点です。
他のライトウェイトスポーツカーとの性能比較
同年代のライバル車種と比較すると、NCロードスターがどれくらい速いのかについての立ち位置がより明確になります。
車種 | 最高出力 | 車重 | 0-100km/h加速 |
---|---|---|---|
NCロードスター(2.0L) | 170ps | 1,140kg | 約7.0秒 |
ホンダS2000(AP2) | 242ps | 1,270kg | 約6.7秒(実測6.7~6.8秒) |
トヨタMR-S | 140ps | 975kg | 約7.9秒 |
日産フェアレディZ(Z33) | 280ps | 1,430kg | 約5.9秒 |
純粋な加速性能ではS2000やZ33に一歩譲りますが、NCロードスターの魅力は数字に表れない「乗りやすさ」と「楽しさ」のバランスにあります。



「誰でも扱いやすく速い車」という観点では、NCロードスターが魅力的な車であると言えるね!
NCロードスターが「速い」と感じる3つの理由


NCロードスターはデータから分析しても速い車でしたが、エンジン性能以外の観点でも「速い」と感じる理由を紹介していきます。



実際の速度以上に「速い」と感じさせる要素こそ、NCロードスターの真骨頂だよ!
データには表れないNCロードスターの体感速度の秘密を探っていきましょう。
理由1:シャープなハンドリングと高いコーナリング性能
NCロードスターが「速い」と感じる理由の1つ目は、シャープなハンドリングと高いコーナリング性能です。
NCロードスターのフロントにダブルウィッシュボーン、リアにマルチリンク式サスペンションを採用した足回りは、まさに「意のままに曲がる」という表現がぴったりです。
ステアリングを切った瞬間から車体が素直に反応し、ドライバーの思い描いたラインを正確にトレースします。



前後重量配分も52:48と理想に近く、コーナリング中の安定感は抜群です!
限界域でも予測しやすい挙動で、サーキットでのラップタイムは直線の速さだけでは測れない「速さ」を発揮します。
実際、筑波サーキットなどのテクニカルコースでは、より高出力な車種を凌ぐタイムを記録することもあります。
理由2:ドライバーとの一体感が生む「人馬一体」の体感速度
NCロードスターが「速い」と感じる理由の2つ目は、ドライバーとの一体感が生む「人馬一体」の体感速度です。
オープンカーならではの低い着座位置とタイトなコックピットは、実際のスピード以上の速さを感じさせます。
路面からの情報がダイレクトに伝わり、風の音・エンジンサウンド・タイヤの鳴きなど、五感で「速い」と感じられるのがNCロードスターの魅力です。



特に幌を開けて走れば、時速60kmでも相当な速度感を味わえるよ!
この「人馬一体」の感覚こそ、マツダが追求し続けるロードスターの本質であり、数値では表せない速さの正体です。
シフトフィールの良さも特筆もので、小気味良いシフトワークが運転の楽しさを高めて、積極的に高回転まで回したくなる気持ちにさせてくれます。
理由3:シリーズ随一のボディ剛性がもたらす走行安定性
NCロードスターが「速い」と感じる理由の3つ目は、シリーズ随一のボディ剛性がもたらす走行安定性です。



NCロードスターは歴代モデルの中で最も高いボディ剛性を誇ります。
NAやNBと比較して約22%向上したねじり剛性は、高速域での安定感に大きく貢献しています。
首都高速のような継ぎ目の多い路面や、ワインディングロードの荒れた路面でも、車体がしっかりと路面を捉え続けます。
この高剛性ボディは、サスペンションの性能を最大限に引き出すことにも繋がり、結果として「速く走れる」車に仕上がっています。
RHT(リトラクタブルハードトップ)モデルではさらに剛性が向上し、クローズドボディに迫る走行安定性を実現。
「速さ」を支える基本性能の高さが、NCロードスターの大きな強みとなっています。
NCロードスターと歴代モデルを比較するとどれが速い?
NCロードスターの速いのかどうかを判断する上で避けて通れないのが、歴代モデルとの比較です。
それぞれの世代が持つ個性と「速さ」の質の違いを見ていきましょう。
軽さのNA/NB・パワーのNC・トータルバランスのND
NCロードスターを含め、歴代ロードスターはそれぞれ異なる特性を持っています。
歴代ロードスター | 基本スペック |
---|---|
NA/NBロードスター(初代・2代目) | 車重:940〜1,040kg 最高出力:120〜160ps 特徴:軽量ボディによる軽快な走り |
NCロードスター(3代目) | 車重:1,100〜1,170kg 最高出力:160〜170ps 特徴:パワフルなエンジンと高剛性ボディ |
NDロードスター(4代目) | 車重:990〜1,060kg 最高出力:131〜184ps 特徴:軽量化と最新技術の融合 |
純粋な加速性能ではNCロードスターが最も速いモデルであり、特に高速道路での余裕や追い越し加速では圧倒的な速さです。
一方、NA/NBの軽さがもたらすヒラヒラ感や、NDの洗練されたハンドリングなど、それぞれに「速さ」の質が異なります。



歴代モデルが気になる方は、ロードスターの速さについて紹介した以下の記事も参考にしてくださいね!


なぜNCは「少し重い」と言われがちなのか?
NCロードスターが「重い」と言われる理由は、先代のNBと比較して約100kg増加した車重にあります。
この重量増の主な要因は、排気量アップ(1.8L→2.0L)・ボディサイズの拡大・安全装備の充実などです。



これはRX-8と同じプラットフォームを使ってNCロードスターが作られた点も大きく関与しています。
しかし、この「重さ」にはメリットも多くあります。
高速安定性の向上・乗り心地の改善・静粛性の向上など、NCロードスターのグランドツーリング性能は格段に進化しています。
また、増加した重量以上にパワーも向上しているため、パワーウェイトレシオではNBとほぼ同等。



「重い」というよりは「大人のロードスター」として進化したと言えるね!
実際、サーキットでのラップタイムではNCが歴代最速を記録することも多く、トータルパフォーマンスでは決して劣っていません。
NCロードスターをより速い車に!定番のカスタムメニュー


ノーマルでも十分速いNCロードスターですが、チューニングによってさらなる速さを追求することも可能です。



費用対効果の高い定番のカスタムメニューを紹介していきます!
手軽に効果を体感できる吸排気系チューニング
NCロードスターをより速い車にする場合、吸排気系のチューニングは比較的手軽に始められる定番メニューです。
チューニング項目 | 効果 |
---|---|
エアクリーナー交換(2〜5万円) | 吸気効率向上でレスポンスアップ |
エキゾーストマニホールド交換(10〜20万円) | 中高回転域のパワー向上 |
マフラー交換(5〜15万円) | 排気効率向上とサウンドチューニング |
これらの組み合わせで、5〜10馬力程度のパワーアップが期待できます。
特にエアクリーナーは費用対効果が高く、アクセルレスポンスの向上を体感しやすいため、最初の一歩としておすすめです。
秘めた性能を引き出すECU(コンピュータ)チューニング
NCロードスターを速い車にする場合、エンジンの潜在能力を引き出す効果的な方法としてECUチューニングが挙げられます。



NCロードスターの純正ECUの書き換えやサブコンピュータの装着により、さまざまな効果が得られます。
- 燃料噴射量や点火時期の最適化により、全域でのトルクアップを実現
- 特に中回転域のトルクの谷を改善することで、扱いやすさと速さを両立
- スピードリミッターの解除も可能で、サーキット走行時の最高速度が向上
ただし、公道では法定速度を守ることが大前提です。
費用は5〜20万円程度で、吸排気系チューニングと組み合わせることで相乗効果が期待できます。
信頼できるショップでの施工が重要で、エンジン保護の観点から過度なセッティングは避けるべきでしょう。
コーナリング速度を上げるなら足回りの強化が必須
NCロードスターを速い車に仕上げるなら、足回りのチューニングは欠かせません。
チューニング項目 | 費用目安 | 効果 |
---|---|---|
車高調キット | 10〜30万円 | 車高調整、減衰力調整でセッティングの幅が広がる |
スタビライザー | 3〜8万円 | ロール剛性向上でコーナリング安定性アップ |
ブッシュ交換 | 5〜15万円 | サスペンションの動きが正確になり限界性能向上 |
タイヤ・ホイール | 10〜30万円 | グリップ力向上と軽量化の両立 |
特に車高調キットの導入は劇的な変化をもたらします。



実際に多くのNCロードスターオーナーが足回りチューニングの効果を実感していると耳にします!
純正の柔らかめのセッティングから、サーキット走行に適したハードなセッティングまで、用途に応じた調整が可能になります。
「軽さは武器」になる軽量化カスタム
「軽さは正義」というモータースポーツの格言通り、NCロードスターを速い車にするうえで軽量化は有効なチューニングです。
主な軽量化メニューとして、
- 軽量ホイール(1本あたり2〜4kg軽量化)
- カーボンボンネット(約5kg軽量化)
- 軽量シート(1脚あたり10〜15kg軽量化)
- 軽量バッテリー(5〜10kg軽量化)
などがあります。



歴代ロードスターより重たくなったNCを軽量化するカスタムも良いですね!
これらの組み合わせで30〜50kgの軽量化が可能で、加速・減速・コーナリングすべての性能が向上します。
特に軽量ホイールは、バネ下重量の軽減により体感できる効果が大きく、乗り心地の改善にも繋がります。
ただし、快適装備を犠牲にする場合もあるため、使用用途とのバランスを考慮することが重要です。
速いNCロードスターを選ぶための中古車購入ガイド
NCロードスターの中古車選びで「速さ」を重視する場合のポイントを解説します。
グレードや年式による違いを理解して、理想の一台を見つけましょう。
狙うなら2.0Lモデル!6速MTと5速MTの違い
NCロードスターで速さを求めるなら、断然2.0Lモデルがおすすめです。



1.5L(欧州仕様)も存在しますが、日本では2.0Lが主流です!
トランスミッションは6速MT・5速MT・6速ATが用意されていますが、走りを楽しむなら6速MTが最良の選択です。
6速MTはクロスレシオ化されており、各ギアでエンジンの美味しい回転域を使い切れます。
5速MTは扱いやすさ重視で、街乗りメインならこちらも悪くありません。
ATは快適性重視ですが、パドルシフト付きモデルならスポーツ走行も楽しめます。
ただし、ダイレクト感では圧倒的にMTに軍配が上がるでしょう。
RHT(ハードトップ)の重量増は走りに影響する?
2006年に追加されたRHT(リトラクタブルハードトップ)は、電動開閉式のハードトップを装備したモデルです。
NCロードスターのソフトトップと比較して約40kg重量が増加しますが、この重量増が走りに与える影響は限定的です。
むしろボディ剛性の向上により、高速安定性やハンドリングの正確性は向上しています。



静粛性も格段に良く、グランドツーリング性能は大幅に向上しているよ!
サーキット走行を頻繁に行うなら軽量なソフトトップがベストですが、オールマイティに使うならRHTも十分に速い車です。
開閉時間も約12秒と実用的で、信号待ちでも開閉可能なため、快適性と走行性能を高次元で両立したい方にはRHTがおすすめです。
後期型(NC2/NC3)は本当に速い?前期型との違い
NCロードスターは2008年のマイナーチェンジでNC2、2012年にNC3へと進化しました。
- NC1(2005-2008):初期型、最も流通量が多い
- NC2(2009-2012):エンジン改良で燃費向上、内装の質感向上
- NC3(2013-2015):フロントデザイン変更、さらなる燃費改善
速いかどうかという観点では、NCロードスターの各モデルの基本性能に大きな差はありません。
ただし、NC2以降はエンジンの改良により、若干レスポンスが向上しています。
中古車価格は年式相応で、NC1なら100万円台から良質な個体が見つかります。



予算に余裕があればNC2以降がおすすめですが、NC1でも十分に速い車であり楽しさを味わえます。
NCロードスターが速いのか気になる方からよくあるQ&A
Q1. NCロードスターはノーマルのままでもサーキット走行を楽しめますか?
A. もちろん楽しめます。
NCロードスターは純正状態でも優れたバランスを持っており、初心者から上級者まで楽しめる懐の深さがあります。
純正ブレーキは一般的なスポーツ走行には十分な性能を持ち、タイヤも純正装着のポテンザRE050なら、グリップ力も申し分ありません。
ただし、本格的にタイムを追求するなら、最低限ブレーキパッドとブレーキフルードの交換は推奨します。
オイルクーラーの追加も、連続周回時のエンジン保護に有効です。
まずはノーマルで限界を知り、必要に応じてチューニングしていくのが王道でしょう。
Q2. NCロードスターをカスタムで速い車にすると故障しやすくなりますか?
A. 適切なチューニングとメンテナンスを行えば、信頼性を損なうことなく速さを追求できます。
NCロードスターのMZRエンジンは基本的に頑丈で、200馬力程度までのライトチューンなら耐久性の心配はほぼありません。
維持費については、ハイグリップタイヤやブレーキパッドの消耗は早くなりますが、速い車にするうえで欠かせないポイントです。
年間のランニングコストは、サーキット走行の頻度にもよりますが、通常の維持費プラス10〜30万円程度を見込んでおけば十分でしょう。
定期的なオイル交換と、各部の点検を怠らなければ、NCロードスターは長く楽しめる相棒となってくれます。
Q3. チューニングにかかる費用の総額はどれくらい見ておけば良いですか?
A. チューニングの範囲により大きく異なりますが、費用がかからないものから紹介していきます。
ライトチューン(〜50万円)
- 吸排気系、ECU、ブレーキパッド、オイルクーラーなど
- 街乗りからスポーツ走行まで楽しめるバランス型
ミドルチューン(50〜150万円)
- 上記に加えて車高調、LSD、軽量ホイール、バケットシートなど
- サーキット走行を本格的に楽しむレベル
フルチューン(150万円〜)
- エンジン内部チューン、ロールケージ、空力パーツなど
- レース参戦も視野に入れた本格仕様
まずはライトチューンから始めて、必要に応じてステップアップしていくのがおすすめです。
Q4. NCロードスターならではの弱点や購入後に注意すべき点はありますか?
A. NCロードスターは基本的に信頼性の高い車ですが、いくつか注意点があります。
まず、ソフトトップ車は幌の劣化に注意が必要で、10年を超えると交換時期を迎えまることが多いです(交換費用15〜20万円)。
エンジンマウントやミッションマウントも経年劣化しやすく、振動が増えたら交換時期です。
また、NCロードスターのリアのハブベアリングから異音が発生することがあり、これも定番のトラブルです。
電動パワーステアリングは、極まれに不具合が発生することがありますが、リコール対象となっているケースもあるので、購入時は対策済みか確認しましょう。



これらは経年劣化による一般的なトラブルで、定期的なメンテナンスで予防可能です。
NCロードスターは速い車! 当記事のまとめ


本記事では、NCロードスターは速いのかについてデータと体感の両面から検証してきました。
170馬力という絶対的なパワーは現代の基準では突出していませんが、軽量ボディとの組み合わせで十分な動力性能を発揮しています。
何より、ドライバーとの一体感が生む体感速度と意のままに操れるハンドリングこそが、NCロードスターの真の「速さ」です。
歴代モデルとの比較では、NA/NBの軽快さとNDの洗練さの間で、最もパワフルで安定感のあるキャラクターを持つことが分かりました。
チューニングの自由度も高く、ライトチューンからフルチューンまで、オーナーの求める「速さ」に応じたカスタマイズが可能。



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「NCロードスターは本当に速いのか?」という問いに対する答えは、明確にYESです。
ただし、それは単純な直線速度だけでなく、コーナリング性能・運転の楽しさ・そして誰もがその性能を引き出せる扱いやすさを含めた総合的な速さです。